保水に関する解説

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ヒアルロン酸に関する用語(シソーラス、類義語)のうち、 保水に関する情報を示しています。
2007年 09月 12日 16時02分23秒最新情報

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[ 160] 森林土壌の保水機能
[引用サイト]  http://www.ffpri-skk.affrc.go.jp/sj/sj28p2.html

日本の国土の約67%に当たる2,500万haは森林に覆われており、その多くは水源地帯になっています。そのため、森林には安定した流量で清澄な水を供給することが求められています。森林に降った雨は、樹冠部で遮断蒸発する一部を除いて、多くが林内雨や樹幹流として地表面に到達します。土壌中に浸透した雨水は、土壌の孔隙(空隙、間隙ともいう)に一時貯留され、植物に吸収されたり地表面から蒸発する部分を除いた残余分が徐々に移動流出します。すなわち、森林の持つ水源かん養機能の主役は「土壌」が担っていることになります。
土壌中には、粘土粒子の間のような非常に微細な孔隙から、ミミズの巣穴のように大きな孔隙まで、さまざまな大きさ(太さ)の孔隙が網の目のように張り巡らされています。土壌に浸透した雨水は、大きな(太い)孔隙中では速く、小さな(細い)孔隙中では毛管張力が作用するためゆっくりと移動します。あまりに大きな孔隙では、水を貯留することはできません。逆に、小さすぎる孔隙では、重力より強い毛管張力が働くため、水が下方に移動できなくなります。従って、水源かん養機能には、水を一時貯留し、しかも徐々に下方に移動できる一定範囲の大きさの孔隙が重要になります。
土壌研究の分野では、水の保持力を「pF価」という表現方法で表してきました。細かい説明は省略しますが、pは対数を、Fは自由エネルギーを表し、pF1は10cm、pF2は100cm、pF3は1,000cmの水柱高に相当する水の保持力(吸引圧)を示しています。また、孔隙の大きさと水の保持力との間には一定の関係があり、孔隙区分をpF価で表すことも可能です。例えば、「pF3相当の孔隙」は、水柱1,000cmに相当する力で水を保持できる直径0.003mm孔隙を意味します。「pF1相当の孔隙」は、水を10cmしか引き上げることができない直径0.3mmに相当する孔隙を意味します。こうしたことから、理論的にはpF3ですが、実質的にはpF2.7相当より小さい孔隙では、重力より毛管張力が大きくなって、水の毛管連絡が切断されてしまい、水は下方に移動できなくなります。そのため、水が下方へ移動でき、水源かん養機能に強く関与するpF2.7相当より大きな孔隙を「粗孔隙」、水が下方へ移動できないpF2.7より小さな孔隙を「細孔隙」と区分しています。
全国的にみて、流域規模で土壌の保水容量(降雨を一時貯留する流出可能な孔隙量を意味し、降雨貯留量、貯水能とも呼ばれる)を精密に評価した事例は少ないのが現状です。既存の事例から、森林土壌の保水容量は、降雨と同様にmm換算すると、数10〜数100mm程度で、平均的には200〜300mm前後と推定されます。ただし、これは降雨を一時貯留可能な「空の容器」としての大きさであり、現実には無降雨時でも森林土壌は多量の水を含んでいます。そのため、ある時点での空き容量を求めるには、すでに含まれている水量を差し引く必要があります。
全国11地域、348ヶ所での土壌孔隙の解析から、貯水能にどのような要因が強い影響を与えているかを解析した事例があります(水利科学研究所,1974)。これをみると、森林土壌の貯水能に影響を与えている要因は、強い順に地域?土壌型?土壌堆積様式?地質・母材?標高?地形?林種?林型となっています。
地域規模の事例としては、岩手県北上地域で同様の評価が行われています。この事例で貯水能に影響を与えている要因は、強い順に地質?標高?土壌型?地形?植生?林齢?堆積様式?地域?粗密度となっています(村井ほか,1980)。
表1に試験流域規模で精密な土壌調査を基に保水容量を評価した事例を示しました。これらの事例では、降雨後比較的速い流出に関係の深いpF1.8以下相当の保水容量が120〜340mm程度、ゆっくりした流出に関与するpF1.8〜3.0相当の保水容量が20〜190mm程度、流出可能な容器の大きさとしての全体の保水容量が170〜530mm程度となっています。
これらを含めて、ある限られた地域で比較的密度の濃い土壌調査が行われた32ヶ所の事例から保水容量を推定した結果では(加藤、未発表)、降雨後速い流出に関与するpF0.6相当以下の保水容量が100mm程度、比較的速い流出に関与するpF0.6〜1.8相当の保水容量が140mm程度、ゆっくりした流出に関与するpF1.8〜2.7相当の保水容量が130mm程度となっています。また、土壌の厚さと保水容量との間には、図1のように強い関係が認められます。
これまでの調査研究から、保水容量は植生や林相よりも土壌の孔隙組成と厚さに規制され、土壌母材や地質条件に左右される面の強いことが分かってきました。これは、地質によって地形や土壌型分布が異なること、母材によって風化形態が異なり、生成する土壌の性質、特に保水機能の主体を担う下層土の厚さや物理的特性が強い影響を受けるためと考えられます。一方、降雨の受け入れ口として重要な働きを持つ最表層の土壌は、森林の管理によって影響を受けやすい特徴を持っています。そのため、ヒノキなどの人工林で適切な間伐が行われず、林床植生が欠如して地表面が裸地化すると、雨滴衝撃によって降雨浸透能の高い表層土壌が流出したり目詰まりして、大雨の時に十分に降雨を土壌中に浸透できなくなる可能性があります。
森林土壌の生成には、数千年、場合によっては数万年という期間が必要であり、森林の持つ多様な機能を維持向上するためには、土壌を保全する取り扱いが最も重要な点の一つです。
土壌の保全という面からは、短伐期施業を繰り返すより有効です。ただし、土壌の生成や成熟には、数百年から数千年オーダーの長期間を要します。
林相ごとに水の貯留量に関する数値がありますか? ブナなどの広葉樹林は保水機能が高いといわれますが本当ですか?
茨城県加波山で31年生のヒノキ人工林と隣接する同齢の落葉広葉樹林で調べた例があります。表2に示したように、両林分で土壌の保水容量に大きな違いが認められていません。これまでの調査事例では、土壌の保水機能には植生や林相の影響は比較的小さいようです。むしろ、その場の地質、土壌の孔隙組成や厚さなどの影響が強いようです。ブナ林の土壌が針葉樹人工林の土壌より保水機能が高いという実証的な研究事例はほとんどありません。
森林の保水機能には、樹木や根に含まる水の影響はないのですか? また、厚い落葉層が水を貯めているのではありませんか?
樹木に含まれている水は、樹体を維持することや葉からの蒸散に使われてしまいます。そのため、植物は水の消費者であり、供給者でも貯留媒体でもありません。一般的な森林では、落葉層の保水容量は、多い場合でも10mm程度に過ぎません。落葉層は表層土壌の保全には大変有効ですが、保水機能の主体は土壌層、特に、厚い下層土層が担っています。
2)村井 宏ほか(1980)北上流域における山地土壌の貯水能の推定について.91回日林論405-407.
3)藤枝基久ほか(1994)森林の水源涵養機能と地下水.地下水問題この10年とその将来展望.日本地下水学会
5)釣田竜也ほか(2000)隣接する広葉樹林斜面とヒノキ林斜面における土壌の保水容量の比較.111回日林学術講


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